Urological Cancer 泌尿器系癌泌尿器癌専門医からのメッセージ一平成から 令和へII.進行性前立腺癌の治療

摘要

前立腺癌はわが国でも急激な増加傾向にあり，2016年 度の罹患数は8万9千人と男性では胃癌に次いで二番目 に多い癌であった。米国では，2012年のUS Preventive Services Task Forceの勧告によりPSA検診が推奨され なくなって以降，前立腺癌の発生数は年々減少している が，転移性前立腺癌は逆に増加している。また，今後も 転移性前立腺癌の発生率は増加することが予測され，特 に50歳前後の増加が予測されており,これらの進行性 前立腺癌の治療がますます重要となっている。前立腺癌 は当初はホルモン感受性であるがしだいに去勢抵抗性と なり，転移性去勢抵抗性前立腺癌となり死に至る。この 10年で去勢抵抗性前立腺癌に対する多くの新規治療薬 が登場し，さらにこれらの治療薬がup-frontで去勢抵 抗性になる前のホルモン感受性進行性前立腺癌に対して も使用するようになってきている。