再発時に形態学的変化を認め,CD13発現が認められたCD13 'CD33陰性急性骨髄性白血病（FAB分類M2）

摘要

症例は42歳，男性であり，1998年7月に急性骨髄性白血病と診断された。 白血病細胞は分化傾向が認められ，またベルオキシダーゼ染色陽性であったことより，FAB分類にてAML （M2）と診断された。 染色体異常としてはt（8；21）（q22；q22）を認めたが，表面抗原解析にて骨髄系に特徴であるCD13，CD33の発現が認められなかった。 多剤併用化学療法によって完全寛解に至り，実姉をドナーとして同種骨髄移植を施行したが，発症後約18カ月で死亡した。 再発時，初発時と比較すると分化傾向が認められない幼若な芽球に形態学的な変化を示した.FAB分類ではM1に相当し，細胞表面抗原においてはCD13の発現が認められた。 診断時にはCD13およびCD33の発現を認めず，再発時にCD13の発現を認めたAML例は稀であり文献的考察を加え報告する.