Picture in Clinical Hematology

摘要

【症例1】27歳男性，ベトナム人。健康診断で赤血球高値を指摘され当院を紹介受診した。赤血球691万/ mul， Hb13.3 g/dl，MCV 57.5 fl.サラセミアインデックス8.3であり，血液像では標的赤血球（図A)を認め た。口腔粘膜細胞のェクソ(3505)0021-4973y2018v72n8-C2018091200894538ム解析で変異c.92+1G〉T (図B)を認め，変異ァリル頻度55%よりへテ 口接合性変異と考えられ，betaサラセミア形質と診断した。【症例2】29歳男性，ミャンマー人。当院にパラチフスで入院し，軽度の小球性貧血を認め当科紹介となつ た。赤血球581万/mul, Hb 12.6 g/dl, MCV 69.0 fl，サラセミアインデックス11.9であり，血液像では標的赤血 球を認めた。口腔粘膜細胞のェクソーム解析でHBA2のホモ接合性遺伝子変異c.427T〉C (図C)を認めalphaサ ラセミア形質と診断した。確認のため施行したサンガー法によるシーケンス解析でも同様の遺伝子変異 を認めた（図D)。