IPS細胞バンクを有効利用した血液疾患治療法の開発

摘要

幹細胞は，自己複製能と多分化能を併せ持つ細胞とし て定義つけられる。すべての血液細胞は一生涯，組織幹 細胞の一つである造血幹細胞によって供給される。Yolk-sac造血によって開始される血液発生は，その後成 人型造血の"場"であるAGM領域，胎児肝臓，骨髄と 血液産生場所を変えながら成立することがマウスモデル の解析によって明らかにされてきた。しかしながら この造血発生スキームが実際にヒトにおいても完全に当 てはまっているのかの検証は成されていない。ヒト多能 性幹細胞の最も魅力的な点は，細胞?組織の発生を生体 外で模倣（recapitulate)できることである。