アジアにおけるリンパ腫の新病型

摘要

造血器腫瘍リンパ系腫瘍のWHO分類第4版が2008年9月上梓された.悪性リンパ腫の分類における世界標準ともいうべき位置づけにあり，2001年に発刊された第3 版)以降の進歩を取り入れることが主眼となっている。第3版のWHO分類は1994年に出されたRevised European-American Classification of Lymphoid Neoplasms (いわゆるREAL分類)の延長上にあることは異論がないところで，従って最新版WHO分類の源流はREAL分類にあると言える。私見ながらREAL分類はKiel分類の影響が非常に強く反映しているが，その分類哲学は形態学的特徴に種々の分子発現，染色体異常と分子異常，臨床的特徴といったことを総合的に判断し，「由来（母）細胞」を推定することで疾患概念を捉えるということにある。