自己末梢血幹細胞移植を2回施行後に治療関連急性骨髄性白血病を発症した非ホジキンリンパ腫症例

摘要

1999年6月に非ホジキンリンパ腫（NHL：びまh性大細胞型B細胞リンパ腫，臨床病期IV）に罹患した29歳の男性が2000年9月に急性骨髄性白血病を発症した。 患者はNHLに対して7コースの化学療法　 と2回の自己末梢血幹細胞移植（抗癌剤総投与量：CPA 13，000 mg，BUS 892mg，L－PAM 150 mg，MCNU830mg，MTX60mg，Ara－C160mg，DXR350mg，VP－1611，190mg，VCR8mg，CBDCA700 mg，MIT 22 mg）を受け，2000年4月に完全寛解（CR）に到達したが，2000年9月に急速に増悪する全身倦怠感が出現，著明な白血球増加を示した（αNBE染色陽性芽球が85％）。 芽球の表面形質はCD11b，CD11C，CD13，CD15，CD33，CD56，CD64，CD65，CD71，HLA－DR陽性，染色体検査ではadd（8）（p11），add（9）（p13）を示した。 AML（M5a）と診断され化学療法を受けたが，抵抗性で2000年12月死亡した。 NHLはCRであった。 本例は臨床経過などより，NHLの治療に用いられたVP－16に起因する治療関連AMLと思われた。