58.放射線肺炎とPembrolizumab によるPseudo progressionの鑑別に難渋した1例

摘要

抗PD-1抗体によるpseudo progres-sionは約4%と稀である.今回，pseudo progressionと放射線肺炎との鑑別に難渋した症例を経験したので報告する.症例は60歳男性，既喫煙者.血痰を主訴に来院し，肺扁平上皮癌T4N3M0 StageIIIC と診断した.X— 1年11月より化学放射線療法を施行するも，X年5月にPET検査にて右腎転移と左鎖骨上リンパ節転移を認め病勢増悪の診断となった.二次療法としてX年5月にPembrolizumabを施行した.3コース施行後に左胸水を認めた.評価病変が縮小傾向を認める中での胸水増加であり，pseudo progres-sionの可能性が考えられ，前治療での化学放射線療法の放射線肺炎が鑑別に上げられた.状態が安定していることから治療を継続したが，胸水はその後変化なく，最終的には放射線肺炎の増悪と判断した.