pH4処理酸性人免疫グロブリン(献血ポリグロビン~?N10%静注）の使用成績調査結果：高濃度静注用人免疫グロプリン製剤の副作用について

摘要

背景:10%静注用人免疫グロプリン製剤は本邦では投与経験がないことから，5%製剤と同一の速度で投与した場合の安全性を確認するため，高濃度製剤（大量投与や投￥速度等）で懸念される副作用の発現状況の把握を重点調査1項として使用成績調丧を行った。方法：2013年4月~2016年3月の間に本剤の投ネが開始された患者（低乂は無ガンマグロプリン血症，重症感染症，特発性血小板減少性紫斑病〔ITP〕，川崎病）を対象に，疾患毎に観察期間を設けて実施した。結果：1回投与量の多いITP,川崎病で投与速度が速く副作用発現率も高かったが，投与速度と副作用発現率の問に一定の傾向はみられなかった。また，ショック又はショックが疑われる症状を認めた症例の副作用は最大投字速度で投与した時に発現したものではなかった。結論：所定の投与速度から投与を開始し，耐容性のある患者に対し徐に投与速度を上げてく使用方法を遵守し適正に使用すれば，安全性上の懸念は少ないと考えられた。