ィトラコナゾ一ル内服と温熱療法が著効したスポロトリコーシスの1例

摘要

78歳，男性.2010年12月に自宅の裏山の木で左上腕を傷つけた.創部が潰瘍化し難治の ため，約2か月後に当科に紹介された.左上腕に2~3 cm径の潰瘍を2か所認めた.病理組織 学的に，真皮浅層から中層にかけての好中球，リンパ球を主とした稠密な炎症細胞の浸潤と， —部にasteroid bodyを認めた.生検皮膚よりSporothrixschenckiiを培養同定し，皮膚固 定型スポロ卜リコーシスと診断した.ョゥ化カリゥムを内服し600 mg/日まで増量したところ でめまいや胃部不快感が出現したため，450 mg/日に減量し内服を継続した.5か月後に総投 与量約60gで瘢痕治癒したが，1か月後に再燃し，温熱療法とイトラコナゾール200 mg/日内 服で治癒した.近年，スポロ卜リコーシスの治療において，ヨウ化カリウムや温熱療法の他 に，イトラコナゾール奏効例の報告が増加している.両薬剤の特徴を踏まえ，患者背景ゃコン プライアンスに併せた治療が必要と思われた.