ィ厶ノクロマト法による水痘?帯状疱疹ウィルス感染症の診断

摘要

水痘?帯状疱疹ウィルス(varicella-zoster virus ： VZV)感染症，特に帯状疱疹は皮膚科の日常 臨床でよく遭遇する疾患である.典型的な水痘，帯状疱疹では皮疹の状態や病歴から臨床診断が 可能であるが，時に他の皮膚疾患との鑑別が困難な場合もある.またステロイドなど免疫抑制剤 投与患者や，先天性?後天性免疫不全患者のVZV感染症では早期の正確な診断が重要である. これまで，帯状疱疹を迅速に確定診断できる検査がなかったが，新しいィ厶ノクロマト法による VZV抗原診断キットであるデルマクイック~RVZVが登場した.臨床試験の結果では，本キット の陽性一致率，陰性一致率，全体一致率はいずれも95%前後であり，感度，特異度とも高く， またHSV-1,-2,および4種の表在性細菌との交差反応性は認められなかった.このことから 皮膚に水疱，びらh性の病変を形成する感染症，特にHSV感染症との鑑別に効力を発揮するも のと思われる.