ばね指の手術後に残存した右手拇指の激痛に小陥胸湯加味方が奏効した一例

摘要

ここに示す患者さhは大学病院の手の外科で右手拇指のばね指の診断で2回手術を受けたが、その後1年経っても右手の炎症症状があり、右手全体の激痛が続くため我々の漢方外来を受診した。その後数年間四診に従い種々の漢方薬を投与し、皮内鍼、潟血なども続け右手の痛みは大分改善したが、今一つどうしてもよくならず、そのため皮内鍼、鴻血も中止できなかった。そこで江部の経方的腹診法を行い、この患者さhの症状を小結胸によるものと診断し、小陥胸湯加味方を用いて治療したところ、著効が得られたので報告する。