病位のうらおもて：もう一つの漢方治療原則を求めて

摘要

傷寒論医学では病症が複数の病位に跨る場合には、その治療において厳密な原則がある。その原則に従って治を施せば『傷寒論』に述べてある通りに病はスムースに解する。合病、併病、先表後裏の法、先急後緩の権宜の処置、双解、合方等の漢方独特の治療において最も重要なポイントは病邪と精気が相争う場所、つまり病位が表、裏、表裏間のいずれに位置するかの問題である。病位が定まれば用いる薬方は自ら決定する。