研究·診療などの過去と現在そして未来への展望 形態機能学術部会より

摘要

呼吸器に限らず、各種疾患の病態を解明し治療法を見出すには、臓器の形態と機能、さらには機能調節機構の理解が重要であることは論を待たない。日本呼吸器学会の前身である日本胸部疾患学会が発足した1961年当時は、スパイロメトリー、フロー ボリユーム検査、窒素洗い出し法など、現在の標準的呼吸機能検査法が確立されてまもなくの頃であり、呼吸生理学研究が盛hに行われていた。スパイロメトリーは50 年を経た今でも肺機能検査のゴールデンスタンダードであり、IOSなど非侵襲的な機能評価法も開発されてはいるが、とって代わるには至っていない。翌1962 年は、くしくもDNAの二重らせh構造の発見に対してノーベル生理学.医学賞が与えられた年であった。