総論-産婦人科における位置づけと産婦人科医として修得すべき事項

摘要

ゥロギネコロジーUrogynecologyは女性の骨盤底の異常を扱う分野である.女性の骨盤底の臓器には下部尿路(尿管，膀胱，尿道)，性器(子宮,膣，会陰)，下部消化器(結腸，直腸，肛門）がある.これらの異常の治療には薬物療法などの保存的治療も行われるが，外科的治療がその主流である.そして，従来は性器脱(骨盤臓器脱）pelvic organ prolapse(POP)と尿失禁urinary incontinence(UI)の手術がその二本柱であったが，近年，世界的には瘻孔の手術，直腸肛門の手術も含まれ，婦人科医，泌尿器科医に加えて結腸，直腸，肛門外科医も閱連するようになつて，名称もUrogynecology and Reconstructive Pelvic surgery(URPS)-国際ゥロギネコロジ-学会IUGA-， Female Pelvic Floor Medicine and Reconstructive Surgery (FPMRS)- 米国産婦人科学会ACOG-となり，わが国では一部で骨盤底医学一日本骨盤底医学会一といわれている.