ラットPGD_2受容体，CRTH2のクローニングおよび機能解析 ラットにおけるCRTH2依存性好酸球遊走に及ぼすラマトロバン（バイナス）の影響

摘要

Chemoattractant receptor－homologous mol－ecule expressed on Th2 cells（CRTH2）は，Th1およびTh2の発現比較検討より見出されたG蛋白共役型受容体である．Th2細胞，好塩基球および好酸球に選択的に発現する受容体としてまずは注目を集めたが，そのリガンドがPGD_2であり，発現細胞の遊走を促すことが明らかになり，さらに注目度が増してきた．CRTH2のクローニングは，ヒトのほかマウスにおいてなされており，その特徴についても報告されている．しかしながらCRTH2欠損マウスはいまだ普及していないため，その機能的役割は不明な部分が多い．今回われわれは，ラットのCRTH2をクローニングし，発現パ夕ーンを解析し，また移入細胞を用いてその受容体の薬理学的性質を確認した．さらに，in vivoにおけるCRTH2の役割，とくに白血球の遊走活性に関する役割について検討した．これらの機能におけるラマトロバンの影響についても合わせて検討した．