骨髄異形成症候群(MDS)における好中球の異形成と，多項目自動血球分析装置XE-2100の智標(NEUT-X， NEUT-Y)との関連

摘要

骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes: MDS) では血液細胞の形態異常がみられ，形態学的診断に ついて国際的な標準化が進められている。そして MDSの診断一致率は不十分とされる中で，MDSの 異形成の判定および診断確度の標準化がアトラスの 出版等を通して図られている2)。形態学的異形成は 好中球や巨核球，赤芽球について評価されるが，好 中球については脱顆粒の評価が低分葉好中球と並び 重点項目である。この脱顆粒好中球を評価する場合 には，上記アトラスでは骨髄塗抹標本に加え末梢血 塗抹標本での脱顆粒の確認が推奨されている2)。し かしながら脱顆粒の判定は検鏡者による差があると 考えられ，脱顆粒の程度を一般化して判定することは難しい。