骨髄異形成症候群における自動血球分析装置から得られるデータの活用

摘要

本稿では，骨髄異形成症候群（MDS)において，その有 用性が報告されている，当社開発の自動血球分析装置 から得られるデータであるNEUT-Xと幼若血小板比率 (IPF)について紹介する。NEUT-Xは好中球内の顆粒含有 量を反映するパラメ一ターと考えられており，MDSの 代表的な異形成の一つである脱顆粒好中球の発見に寄 与することが報告されている。また，血小板産生能の 指標として注目されているIPFが高値を示すMDS症例で は，予後不良染色体異常や巨核球、血小板系統の形態 異常が高頻度に存在することも報告されている。自動 血球分析装置から得られるこれらパラメーターを活用 することが，MDSの診断補助に貢献することが期待さ れる。