低分子血管新生阻害薬とべバシズマブ何が違う？血管新生阻害薬を用いた併用治療の現状と展望-新規血管新生阻害薬E7820腫瘍血管正常化作用-

摘要

VEGF (血管内皮増殖因子）抗体べバシズマブが，がh化学療法薬との併用治療により転移性大腸が hに対して臨床有用性を示し，新たながh治療として 承認された.また,VEGF受容体チロシンキナーゼ阻 害薬(VEGFR-TKI)も臨床有用性が確認され，VEGF を中心とする血管新生阻害薬の臨床治療における重要 性が拡大している。VEGFR-TKIは,単剤で抗腫瘍効 果を示す一方で，現時点でがh治療の主軸である併用 療法において適応を取得した薬剤はない.低分子血管 新生阻害薬のための併用治療法の確立が今後のがh治 療のひとつの課題と考える.併用治療確立のためには 新たな研究仮説ゃ倂用治療に長けたVEGFR-TKI以外 の血管新生阻害薬の創出も必要と考えられる.E7820 はVEGFシグナル阻害とは異なる作用機序を有する臨 床開発中の血管新生阻害薬である.E7820は前臨床の 種々の移植がhモデルにおいて，様々な化学療法剤と の併用投与で効果を示すこと力s確認された，その作用 機序は，腫瘍血管正常化の誘導によることが，腫瘍血 管のイメージング手法DCE-MRIを用いた検討によつ て明らかになった，近年，バイオマーカ一を用いた化 学療法の早期効果判断が求められている.血管新生阻 害薬の併用療法の確立には，腫瘍血管イメージングを 応用した効果判別手法の進展など，今後の臨床での新 たな展開に期待したい.