アルコール依存症飲酒量低減薬ナルメフェン(セリンク口~R)の薬理学的特徴と臨床試験成績

摘要

ォピオイド受容体調節薬であるナルメフェン(セリンク口~R)は，日本，EU,および他の国々で，アルコ一 ル依存症患者における飲酒量低減で承認されている.本稿では，ナルメフェンの薬理学的特徴とアルコ一 ル依存症治療としてのナルメフェンの飲酒前頓用による有効性と安全性について紹介する.エタノールは， mu-オビオイド受容体ァゴニストであるP-ェンドルフインや，K-オビオイド受容体ァゴニス卜であるダイノ ルフィンなどの内因性ォピオイドの放出を増加させる.前臨床データは，ナルメフェンがmu-ォピオイド受 容体にアンタゴニス卜として，K-才ピオイド受容体に部分ァゴニス卜として作用し，エタノール依存性お よびエタノール非依存性ラットモデルで，エタノール自己投与を減少させることを示した.ナルメフェンは，beta-ェンドルフイン/mu-オビオイド受容体およびダイノルフィン/K-才ピオイド受容体システムのアルコールによる影響を調節すると考えられる.