改正臓器移植法施行後の腎移植の現状

摘要

2009年に改正された脳死と臓器の移植に関する法 律が2010年7月に施行され，以後，脳死下多臓器提 供数は増加し，心停止下では提供?移植が困難とされ る心?肺.肝.藤.小腸移植数は着実にその実施数を 伸ばしている。1型糖尿病性腎症による末期腎不全に 対する脳死下縢腎同時移植数も飛躍的に増加してお り，これらの患者にとっては大きな福音となってい る。しかしその反面，従来から行われてきた心停止下 腎提供は減少しており，両者を併せた献腎提供?献腎 移植総数はわずかな増加にとどまつている。腎移植総 数は増加しているが,そのほとhどは生体腎移植数の 増加であり，献腎移植を受けることのできた患者の平 均待機年数は14年以上にも及hでいる。