生体肝ドナーquality of life尺度の開発および信頼性と妥当性の検討

摘要

日本における生体肝移植は，1989年に始まり2009 年末で計5,653件，年間400件以上施行されている。 生体移植のアウトカム評価においては，レシピエント のみならずドナーの身体および心理社会的側面における影響を把握する必要があり，quality of life (QOL). を指標として用いる意義は大きい。これまでの生体肝ドナーのQOL評価では，尺度と してShort Form 36 (SF-36)が使用されることが多く， 結果から，生体肝ドナーのQOLは，国民標準値と比 較し同等かそれ以上であることが報告されてい る)。また，縦断研究の結果から，術後，一時的に QOLは低下するものの，6力月程度で術前と同等レ ベルにまで回復じ，長期的には比較的良好であるこ とが示されている。