リンパ球クロスマッチにおけるimmunocomplex capture fluorescence analysis (ICFA) の有用性についての検討

摘要

腎臓移植におけるリンパ球クロスマツチ（XM)は， レシピエント血清中のドナー特異的human leukocyte antigen (HLA)抗体を検出することを目的としている。 1960年代にTerasakiらは補体依存性細胞障害試験 (complement dependent cytotoxicity ： CDC)で陽性のfe 例，つまりレシピエント血清中にドナー白血球抗体が 存在することが早期移植臓器廃絶の危険因子となるこ とを報告した。それ以降，XM陽性例は移植禁忌と されてきた。しかし，CDC法は抗体検出の感度と抗 体の特異性に問題があり，XM陽性でも拒絶反応を発 症せずに予後良好な症例，逆にXM陰性でも早期グ ラフトロスになる症例が報告されている。その後， 抗体検出感度の高いflow cytometry XM (FCXM)と HLA抗体を特異的かつ高感度に検出するHLA抗原固 相化法が開発され，XM検査に導入されるようになつ た。United Network for Organ Sharing (UNOS)は，抗 体検出感度と特異性の高いXM検査としてFCXM法 とHLA抗原固相化法を併用することを推奨してい る。