腎移植後リンパ増殖性疾患9例についての検討

摘要

移植腎の生着率は免疫抑制療法の改良によって向上してきたが，悪性腫瘍の発症が腎移植患者の長期予後を決定する要因の1つとして重要となっている。なかでも，移植後に発症するリンパ増殖性疾患(posttrans-plant lymphoproliferative disorder ： PTLD)は比較的頻度が高く，致死的合併症の1つとされている。今回われわれは，当院で施行した腎移植後に発症したPTLD 9例について若干の文献的考察を加え報告する。