新しい造血幹細胞採取方法& 移植法(骨髄内直接注入)

摘要

著者らは25年前に自己免疫疾患を自然発症するマウスを用いて，正常マウスの骨髄細胞を移植すると病気が治療できることを発見した。その後，種々の難病のモデル動物を用いて，1型糖尿病だけでなく，ある種の2型糖尿病や難治性の腎炎もァ口の骨髄移植(BMT)によつて治療できることを証明した。しかし， MRL/lprマゥスだけが例外で，このマウスは放射線に感受性のため8.5 Gy以上の放射線に耐えられず， 低線量(8.5Gy以下)の放射線と静脈(iv)から骨髄細胞を注入する従来のBMTの方法(IV-BMT)ではドナーの骨髄細胞が生着せず，自己免疫疾患が再発してくることが明らかになった。そこで，このマウスケ用いて mildなconditioning regimen (前処置)でもァ口のBMTが成功する方法の開発に努め，新しい骨髄移植の方法を発見したので紹介する。