心臓移植における保存時

摘要

2008年度国際心肺移植学会報告によると, 2006年6月までに74,267例,年間3,000例以上の心臓移植が施行されている。 心臓移植におけるドナー心に対する保存法として,これまで簡便さもあり単純浸漬法が主に用いられてきた。 しかし,長時間の保存法として冠港流保存法の検討も行われ,近年新しい機器も開発され臨床応用も開始されている。 わが国では1999年に臓器移植法下の心臓移植が開始されてからこれまでに59例が施行されたが,死亡例は感染に基づく2例のみと良好な心機能が得られている。 本稿では,現状における心保存法について概説する。