「第119回日本耳鼻咽喉科学会総会教育セミナー」メニエール病の診断と治療—メニェール病の診断一

摘要

メニヱ-ル病の病態は内リンパ水腫とされている.従来からメニエ-ル病の診断は，聴覚および前庭症状とそれに関する機能検査さらには内リンパ水腫推定検査によって行われてきた.世界的には長年1995年のAAO-HNS診断基準が用いられてきたが，2015年バラニー学会主導で新たなメニエール病の診断基準が作成され，definiteおよびprobable Meniere’s diseaseの2つが定義された.本邦ではめまい平衡医学会の診断基準化委員会により診断基準2017年改定が公表され，メニエール病定型例のみならずメニエール病非定型例として蝸牛型と前庭型の診断基準も作成された.この診断基準の特徴として，確実例に加えて検査所見として聴覚症状のある耳に造影MRIで内リンパ水腫を認める症例は確定診断例と定義された.この診断基準に基づき，今後新たな展開も期待されている.