超音波メスを使用した滲出性収縮性心外膜炎に対する外科治療の1例

摘要

収縮性心膜炎に対しては心膜剝皮術がもつとも有効な治療法であるカ气心筋?冠状 動脈の損傷，剥離面からの出血などが問題にな る.今回われわれは滲出性収縮性心膜炎に対し て，心拍動下に超音波メスを用いて心膜剝皮術を 行った症例を経験した.5年前より運動後の下腿浮腫を自覚し ていた.胸部CTで下大静脈の拡張および胸水の 貯留を認め，当院に入院した.入院時所見：身長174 cm,体重51kg,血圧 103/72 mmHg,心拍数93回/分?不整，両下腿 は浮腫状で，頸静脈は怒張していた.入院時血液検査所見：肝腎機能は正常であつた.BNP 55.6pg/mlと軽度上昇していた.クオ ンテイフェロン（QFT)は陰性で，膠原病のマー カーも陰性であった.胸部X線所見：心胸郭比60%と拡大し，両側 に軽度胸水が貯留していた.