精神科認知症入院医療の機能分化と認知症の将来予測による政策立案のあり方

摘要

精神科認知症入院機能について，地域医療との連携を考慮して，急性期一治療機能， 回復期，慢性期一リハビリ機能，最重度慢性期一医療?維持リハビリ?介護機能，身体合 併症治療機能，在宅医療介護支援機能を提示し，これに基づいて，急性期治療病棟，治療 病棟，超長期間入院病棟，身体一精神合併症病棟の病棟機能分化を提案した。地域ケアに対して夜間を中心とする24時間対応の地域包括ケァと家族支援の重要性を指摘した。「新 たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム（第2R ：認知症と精神医療)」が提出 した「とりまとめ」の提言に対して，地域ケアと入院医療の連携について，および，目標値 のあり方について検討した。認知症有病率将来予測の必要性について述べ，恣意によらず， 科学的に統一されたデザィンのもとに大規模データを作成し，検証可能な形で行われた解 析に基づいて政策立案を行うことの重要性について述べた。