頸部頸動脈狭窄症の診断経緯と治療方針脳血管センターの連続入院例における解析

摘要

2001-2003年に当科に入院した1,889例のうち,NASCET法で50%以上の頸部頸動脈狭窄を有する患者293例を対象に,その診断経緯と治療方針の実態を検討した。 虚血性脳血管障害の急性卿こ入院した患者は82例で,7割がNIHSS4以下の軽症であった。 このうち33例には待桟的に血行再建術がほどこされた。 他の211例は高度狭窄病変を指摘されての精査入院患者で,4割に症候性脳虚血の既往を認めた。 135例に血行再建術がほどこされ,その他の患者には抗血栓薬を用いて再発予防を行った.頸動脆病変は虚血性脳血管障害の重大な危険院子であるが,今回の対象患者では軽症での発症例が多く,頭頸部血管の評価を詳跡こ行わなければ見逃される危険性が多分に存在することが示唆された.