オフィスにおける快適性の向上を目的とした執務環境の可変性の基礎的検討

摘要

近年，オフィス環境の改善に関心が集まっている．オフィス環境に関する先行研究では，オフィス環境を改善することが執務者の知的生産性の向上やストレスの軽減に繫がると報告されている．オフィスの環境因子には光·温度·音·匂いなどがある．人は五感を通じて外界から情報を得ており，その中で最も情報量が多いのは視覚で，次に情報量が多いのは聴覚である．また，人は単一の環境因子だけでなく，複数の環境因子から得た情報から複合的に判断し，環境の評価を行なっている．したがって，執務者がより快適と感じる環境を提供するためには，複数の環境因子を複合的に捉える必要がある．そのため，本研究では視覚として照明環境と窓に，聴覚として窓からの環境音に注目した．