ロボティクスと新事業創出の接点(2)：社会支援ロボティクスは構造改革の先兵？／地下無人搬送システムでの検証

摘要

社会支援といえば社会生活·生活者支援というのが従来の考え方の中心である。つまり，社会の弱者救済，福祉の充実ということになる。 ロボテイクスもこの立場で福祉ロボットの研究開発が行われ，膨大な研究費が投入されつつある。 このことに異論をはさむことは毛頭ないが，ここで意図されている事業の大半は税金産業（税金によってまかなわれる産業）であり，近年評判の悪い従来型公共工事と費用の点で言うと大きな差異はない。 勿論，従来型公共工事で完成した"箱もの"が，資産（ストック）として何がしか貢献をすること，社会保障費についてはストックなる部分が少ないことの違いはある。 一方で，ストックは維持管理が必要であり，場合によっては，"不良債権化"して将来の大きな負担となる危険性がある。 その点，社会保障については，そのようなハード上の心配はないが，一端，組織化すると，その組織の維持に費用を投入し続けるかもしれないという心配はある。