1kV以下のマイクロギャップESDに伴う過渡磁界ピーク値の距離特性

摘要

帯電した物体との接近及び接触によって静電気放電（ESD： Electrostatic Discharge）が発生する。ESDにより引き起こされる電磁ノイズはインパルス性の過渡現象を示し、非常に広帯域な周波数特性を持つ。このノイズは，電気·電子機器の誤動作や故障，さらに情報信号の誤処理を引き起こす厄介な要素の一つである。近年の情報通信システムにおいて電子部品の小型化，高密度化及び情報信号の低レベル化，高速化により，ESDによるインパルス性のノイズの影響を受けやすい傾向にあるため，環境電磁工学（EMC: Electromagnetic Compatibility）において大きな問題となっている。しかし，ESDによって引き起こされる電磁ノイズの性質や特性については未だ不明瞭な点が多い。そこで，本研究ではESDによる電磁放射メカニズムを議論するために，メーカー交渉帯域幅6 GHzのシールデッドループプローブを用いて，約20 GHz帯域のインパルス性過渡磁界の測定を行った。さらに，測定によって得られた過渡磁界ピーク値の距離特性について考察を行った。