2MW級ガスタービンによるアンモニア混焼：IM270ガスタービン

摘要

低炭素化·脱炭素化の取り組みの一環で、エネルギー分野では水素の利用が注目されているが、水素は密度が非常に小さいため、大量輸送·貯蔵するためのコスト低減が課題である。そこで、水素を大量輸送·貯蔵に適した物質（水素キャリア）に変換して利用する技術が研究·開発されている。代表的な水素キャリアとしては、液化水素、有機ハイドライド、アンモニアなどがあり、それぞれが異なる特徴を有する。例えば、液化水素は気化することで純度の高い水素の取出しが容易である。しかし、液化および液相保持のために冷却で大量のエネルギーが必要となる。一方で、有機ハイドライドは、水素をメチルヘキサン等の常温·常圧で液体の有機化合物として容易に輸送·貯蔵できることが長所である。ただし、有機化合物から水素を取り出すために必要となる脱水素化が吸熱反応であるため、その際にエネルギーが必要となる。