詳細反応機構を用いたアンモニア／天然ガス混焼ガスタービン燃焼器の低NO_x燃焼方法に関する検討

摘要

著者らは，天然ガスのLP燃焼の後段領域に，アンモニアを供給するLPSI燃焼器を開発し，これによりアンモニア／天然ガス混焼試験を行つた．この結果，NO, NO_2, N_2O，未燃NH_3濃度を同時に低減できることを示した．さらに，同型の燃焼器を2MW級ガスタービンに搭載し，20%混焼（熱量比基準）による発電運転にも成功している．このように，LPSI燃焼は，低NO_xおよび低未燃NH_3に有効であることが示されている一方で，詳細な低NO_x化メカニズムに関しては十分に解明されているとは言えない．このため，LPSI燃焼における最適なLP燃焼領域の当量比やLP燃焼の後段に供給するアンモニアの供給方法についての知見が必要である．そこで本研究では，2 MW級のガスタービンを想定してアンモニアと天然ガスの20%混焼（熱量比基準）におけるLPSI燃焼の低NO_x燃焼メカニズムの解明をするため，詳細反応機構を用いたリアクターネットワークモデル計算を行った．また，同じ計算手法を用い，LP燃焼，RL燃焼とLPSI燃焼の性能を比較し，LPSI燃焼の特徴を整理すると共に，LPSI燃焼に適した当量比条件やアンモニアの供給方法を明らかにした．