新形状のLNG運搬船用モス型LNGタンクの開発

摘要

液化天然ガス（以下、LNG ： Liquefied Natural Gas)は石炭や石油と比べ、燃焼時のCO_2/N0x/ SOxの排出量が少ないため、クリーンエネルギ 一として広く認知されている。特に、我が国の ように国内資源が乏しく、エネルギー源の多くを海上輸入に頼る地域においては、天然ガス による火力発電が大きな役割を果たしており、 LNGの世界最大の輸入国である我が国のLNG 海上輸入量は、世界で流通するLNGの3割以 上を占めている。一方、良質で、比較的容易に 開発可能な陸上ガス田の開発は一巡し、近年は 海底ガス田開発やいわゆる非在来型天然ガスの 一つであるシェールガスなどの開発が活発化し ており、その中でも米国やカナダの北米エリア が開発を先行するシェールガスは、その埋蔵量 の多さと、最新の技術の適用により、経済的 な利点も大きい。米国では既に国内流通が始ま つており、両国では、液化したシェールガス由 来LNGの日本を含む海外輸出も開始されてい る。こうしたLNGの海上輸送量の増大を背景 に、新パナマ運河を通峡できる船幅制限を保持 した上で、大容量化により輸送効率を向上する というニーズに応えるべく開発された新形状の LNG運搬船用LNGタンク（図1)を紹介する。