再生可能エネルギー大量導入を可能とする革新的蓄熱発電と同期発熱機

摘要

シベリア鉄道では未だに石炭ストーブが使われている。極寒の地での暖房停止は死に直結するため、信頼性最優先のためである。石炭ストーブは故障の心配がなく、燃料も固体なので不測の燃料切れも起きにくい。写真1は観光列車のストーブであるが、シベリア鉄道のように信頼性優先で選択される場合もある。このように一瞬なぜ？と思うことでも理由がある。電力システムも同様で、信頼性を第一に長年にわたり建設してきた結果、様々な事情で構築されてきた。その長い歴史を持つ電力系統に、二酸化炭素排出削減を目指して再生可能エネルギー（以下、再エネ）を大量導入しようという、意欲的な事業が国内外を問わず進みつつある。そして、再エネ導入揺籃期であれば無視できた様々な課題が顕在化してきた。