微細加工法により作製したCo{sub}2(Cr{sub}(1-x)Fe{sub}x)Al/Al-O/Co{sub}90Fe{sub}10接合のTMR特性

摘要

100％のスピン分極率を有するハーフメタルは、TMR比や半導体へのスピン注入効率を飛躍的に増大させる材料の一つとして知られる。 我々はこれまでに、ハーフメタルとして知られるCo{sub}2CrAlのCrの一部をFeで置換した4元系フルホイスラー合金Co{sub}2(Cr{sub}(1-x)Fe{sub}x)Al（以降、CCFAと略す）の構造や電気伝導特性を初め、メタルマスクにより作製した強磁性トンネル接合(MTJs)においてのTMRを報告してきた。これらのI-V特性からSimmons-Fittingを用いて得られたバリア特性は、障壁高さ1eV、V1/2は200mV程度と質の悪いバリアが得られていることを示しており、これはバリア層の作製前後で大気暴露していることが一つの原因と考えられる。そこで、大気暴露したCo{sub}2(Cr{sub}(1-x)Fe{sub}x)Al表面の酸化状態と、連続成膜したCCFA/Al-O/Co{sub}90Fe{sub}10界面の酸素の結合状態についてXPSを用いて明らかにすることを目的とした。 また、大気暴露を必要としない微細加工法を用いてMTJを作製し、TMR、バリア特性について評価した。