我が国への「外資系」遠洋まぐろ延縄漁船の参入の状況等について－その参入の理由と問題点を探る

摘要

これらの情報等を基にすれば、我が国の中に、一つの法体系のもとにもかかわらず、日本資本と「外資系」資本の漁船の間にかなり異なる操業方法が並存していることが窺われる。このことが、どういう問題点をもたらしているか、各種の法令違反、脱法行為、これを遵守させるための公的コストの問題、日本国籍又は日本国旗に対する外国の信用の面で失墜はないのか、我が国が「便宜置籍国」化したと受け止められかねない等に懸念を呈する向きもある。本発表ではこれらの点についても考究した。国際的な水産資源であるマグロ類は高度回遊性魚類であり、各国はその保存管理に一定の責務を負っている。「外資系」まぐろ延縄漁船の増加に伴い生じる課題についても考察した。