SystemCトランザクションレベルモデルのシミュレーション高速化手法の検討

摘要

本論文では，TLモデルのシミュレーション高速化技法の1つであるテンポラルディカップリングによるシミュレーションの高速化効果についてのマルチコアTLモデルを用いた評価実験を行った．その結果，クオンタムの大きさを十分大きくすることにより，最大1000倍のシミュレーション速度向上を得られることが分かった．ただし，クオンタムの大きさを大きくすることにより，本来保証されていたシミュレータ上での処理の実行順序を保証できなくなるという問題が発生する．したがって，実際の運用上ではクオンタムの大きさの最大値に関して制限があり，その最大値を求める手法を考えることが今後の課題である．