調湿建材の室内環境改善の可能性と今後の展望

摘要

調湿建材とは，室内の湿度が高い時吸湿し，湿度が低い時には放湿して室内湿度を一定にするという働きをもつ材料を総称していうことが多い新しい用語である。 以前から吸放湿材という言い方をしていたが，それでは乾燥剤のようなものもあるので，ここでは内装用の建築材料として使用するということを前提としてこのような呼び方になっている。 室内の湿気をコントロールするということであるから,空調機のような機械装置と同様な働き，機能を建築工法的に自然に行うことができるということで，機能性建材というような言い方もできる。 このような湿度調整機能があるといわれる材料が，たくさh開発販売されている昨今であるが，果たして本当に調湿性能がある材料と評価されるものであり，また，材料の特質を生かし，建築工法的にも正しい使われ方をしているのだろうか。 ユーザーが調湿の効果を実感できるようなものになっているのだろうか。 現時点では，残念ながら不十分だと言わざるを得ない。