I-V特性を利用した開放故障BPDの検出方法に関する研究

摘要

太陽光発電システム(PVS）が普及し始めた当初，PVSは可動部を持っていないなどの理由からメンテナンスフリーであると言われていた．しかしながら，PVSの普及とともに，様々な不具合事例が報告され始め，PVSの保守点検の重要性が認識されるようになってきた．これまでに制定されたPVSの保守点検ガイドラインでは，外観の目視点検やI-V特性の測定が中心で，モジュールに関する不具合の一つである「バイパスダイオード（BPD）の開放故障」に関する点検は，あまり詳しく取り上げられていない．この不具合は，火災などの安全性に関わる事故に発展する可能性があるため，定期的な点検が必要である．現在までにBPDの開放故障を点検する方法としてI-V特性，配線路探査器，IR画像などを利用した方法が提案されている．しかしながら，これらの方法はクラスタ単位で遮光し，点検する必要がある．したがって，アレイ中の全てのBPDの健全性を点検するには時間がかかる．