シール技術の最近の動向：油圧機器·油圧システムの設計段階における油漏れ対策

摘要

ISO14000に代表されるように最近の動向として環境問題が注目されている。 油圧機器の欠点の一つである，"外部油漏れ"これが発生すると周辺の環境を汚染する。 最近では生分解性作動油など，対環境を意識した商品もあり汚染しないものもある。 しかし，漏れた作動油の回収処理·清掃作業には手間と時間，作動油の処理·補充などの費用も掛かる。そのため油圧装置における"外部漏れ"を防止するのは大変重大な課題である。 また，ここまで外部漏れと断ってきたが，油圧機器における欠点としては機器内部における"内部漏れ"もある。 これによる直接的な環境汚染はないが漏れが増加した場合，効率が低下しエネルギロスが発生してしまう。 そのほとhどは発熱の原因になっている。最近では外部漏れは当然のこと，内部漏れについても設計段階から意識していなければならない。 ここでは，油圧機器における一般的なシールについて説明し，それに伴う設計段階における考慮すべき点について記述したい。 また，この場を借りて今後必要としているシールについても少し記述したい。