高速フレーム溶射ガンの設計

摘要

溶射プロセスは，200余にも及ぶといわれる因子に支配される複雑でかつ数msの瞬間的な現象である．これに関連する学問は，材料工学はじめ熱流体力学など幅広い分野に及びこれらを総合的に十分に理解するのは容易ではない．中でも，多くの溶射法か溶射粒子の加速·加熱をノズル内において行っており，この間の現象は，溶射プロセスの重要な点の1つである．しかし，熱流体力学というやっかいな分野を勉強しなければならないことから，ほとhどの溶射施工者が市販の溶射装置を使用しているため装置メーカー任せとなっでしまう．筆者も熱流体力学分野の専門家ではなく，かつ表題である高速フレーム溶射ガンの市販装置の設計·製作は行った経験がない．しかし，これまでの高速フレーム溶射のガンノズルに関する研究を通して得てきた知見，すなわち，ノズルの理論，ノズル内溶射粒子の加速，加熱挙動，ガスジェットの膨張状態，ガンノズル形状など中心に高速フレーム溶射ガンの設計について簡単に紹介させていただく．