制約を有する連続時間線形系に対する最適レギュレータの構成

摘要

モデル予測制御は，制約を有する系を合理的に扱う制御法として知られており，制約を考慮した最適レギュレータなど有力な制御系がモデル予測制御で構成できることが示されている．モデル予測制御の基本的な部分は，各サンプル時刻で有限時間区間の制御問題を解き，得られた制御の初期値だけをreceding horizonで印加してゆく部分にある．したがって，系のふるまいを予測しながら各入力を決定するため，制約を扱うことが可能になるが，一方では，負荷の高いオンライン計算が必要になるため，適用可能な対象がディナミグスの遅いものに制限されていた．近年，モデル予測制御に要する最適化計算をオフラインで実行する方法が開発されつつあり，得られる制御則を非線形状態フィードバックにより構成する方法が検討されている．そして，線形計画，2次計画問題を介した離散時間系の制御問題においては，モデル予測制御別が区分的にアフィンな状態フィードバック則で構成できることが明らかにされている．このようなオフラインの設計法は，負荷の高い計算を実装可能な形に展開できる可能性を有しており，最悪ケースを想定した設計，連続時間系の制御など，さらに複雑な設計問題に対しても，モデル予測制御の接近法からフィードバック別が構成できると期待される．