細胞の個体差に適応する高速オートフォーカス顕微鏡

摘要

本研究ではE_(ave)をより簡単化したEと，Eに付け加えるべき補正項C_Iを自動的に決定する方法を提案する．具体的には，フランスらが提案した焦点面からのずれの評価基準を用いて（ラプラシアン法），eによる焦点面からのずれをリアルタイムで補正することを提案する．フランスらはさまざまな画像を顕微鏡下において，画像の位置を変化させながら観察し，焦点面からのずれの評価基準を比較した．汎用性と精度の高さで最も優れていた評価基準はラプラシアン総和（L_(all)）の最大値であった．L_(all)は焦点面からのずれが0付近で急激に増加する．よって，細胞のZ位置を変化させながら画像を複数枚取得し，L_(all)が最大値となった位置が，焦点面からのずれが0だと考えられる．しかし細胞観察時には，輪郭近傍に生じた干渉縞がL_(all)に影響を与え，L_(all)では焦点面からのずれを正確に推定できないと考えられる．そこで，本研究では，干渉縞の生じにくい細胞中央のラプラシアンLを用いる．ラプラシアン法のみを用いても，オートフォーカスはできるが，DFDi法と比べて撮影枚数分だけ推定時間が長くなる．