中国が、「新エネ車の義務付け」と「ガソリン、ディーゼルエンジン車の廃止」をセットで具体化へ、リチウムイオン電池、ネオジム磁石などの大型市場出現

摘要

中国工業情報省は、2019年から新車販売の一定比率を電気自動車（EV）などの新エネルギー車とする新規制の実施を決めた。また、ガソリンや軽油など従来型エネルギーを燃料とした自動車の生産、販売停止に向けたスケジュール策定作業に着手した。フランスや英国が40年までにガソリン車などの販売終了を目指す方針を発表するなど世界的に自動車電動化の動きが加速するなかで、中国でも検討を進めていく。中国内の自動車メーカーに対し、一定の比率でエコカーの生産や販売を義務付ける新規定の導入は欧米日の自動車メーカーの要請で、当初の18年から1年先延ばしされたものの、中国は、自動車のEV化に本腰を入れて取り組む政策を明確に打ち出しており、「内燃エンジン車の廃止」とセットで動き始めた。リチウムイオン電池の巨大市場が出現することが確実になってきた。また、モーター材料のネオジム磁石、インバーターとその基幹部品のパワー半導体向けの炭化ケイ素、窒化アルミなどの市場が急成長することが予想される。そうしたなかで中国政府は、9月末には外資のエコカー事業への投資を規制緩和する方針を打ち出すなど、「硬軟両面」を使い分けながら新エネ車政策を推進する方針を示した。