再生可能エネルギーの世界的な増大でNAS電池が急拡大、2020年4000トンが見込まれる金属ナトリウム需要、リサイクル技術の確立が急務に

摘要

日本ガイシによって、世界に先駆けて開発·実用化されているナトリウム·硫黄電池（NAS電池）の設置実績が2002年の事業化以来、着実な増加を続け、2016年には全世界で約200カ所、総出力53万kw／h、総容量370万kw／hの納入実績に達した。今後、NAS電池の導入容量は、2020年に200～500万kwへ拡大すると推定されており、最大で4000t前後の金属ナトリウム需要が見込まれる。世界規模での再生可能エネルギーの導入拡大にともない、既存の火力発電、水力発電、原子力発電との負荷平準化に加えて、電力グリッドの安定化への寄与が期待され、世界的に高まる大容量蓄電池のニーズに応え、最有力候補としての導入拡大が見込まれており、それにともなって、金属ナトリウムの需要も着実に伸びていくとみられる。そのため、未確立の金属ナトリウムのリサイクル技術の開発が早急に求められることになりそうだ。