グリーン調達システム

摘要

昨年6月，欧州連合(EU)加盟国でREACH (Registration Evaluation Authorization and Restriction of Chemicals)規則が施行された。 2008年末から2009年春頃までに高懸念物質(Substances of Very High Concern: SVHC)が確定され，EU加盟国内では，顧客や消費者へのSVHC含有に関する情報提供義務が始まる。2011年6月からSVHC含有製品の届出義務も始まる。各社各様の方法でサプライヤーへの調査を控えて，業界共通のルールで効率的に対応することが望ましい。化学，電気，電子，及び自動車等の企業，団体が任意参加する協議会であるアーティクルマネジメント推進協議会(Japan Article Management Promotion consortium: JAMP)は，情報伝達記述様式（MSDSplus，AIS，及び複合AIS）の提供を2008年6月から開始する。 また，2009年4月，グローバルポータルサイト(GP)を開設し，情報伝達を効率化する予定である。三菱電機では，今後拡大する製品含有化学物質規制に適合するため，JAMPで提供する上記の様式や仕組みを活用する。 迅速に含有情報が入手できるGPを活用して製品含有化学物質情報を収集し，集計，管理する仕組みを構築することを構想している。 入手する情報の質，確度を確保するには，信頼できるサプライヤーから調達することが重要である。 そこで1次サプライヤーについては三菱電機グループ“グリーン認定”で化学物質の管理と法規制への対応状況を確認している。 サプライチェーンの各プレーヤーが“製品含有化学物質管理ガイドライン第二版”（JAMP，JGPSSI（グリーン調達調査共通化協議会）の協働で作成された）に基づいて自己適合宣言できるようになることが望ましい。