個別飼育法によるゥナギの卵質評価で用いる添加物が 形態異常に及ぼす影響

摘要

マイクロプレートを用いた個別飼育法はゥナギの受 精、ふ化、生残率測定に有効だが，ふ化直後の浮上斃 死を防止する物質および抗生物質が欠かせないため， 形態異常の解析に応用するにはこれらの物質が異常を誘発しないことが条件となる。48穴プレートにポリエ チレングリコ一ル6,000 (PEG)，ゥシ血清ァルブミン (BSA),ペニシリンGカリウム.硫酸ストレプトマ ィシン混合液（それぞれ200,000 IU/ml, 0.2 g/ml)を加 えた海フれと受精卵を入れ，摂餌開始期まで飼育した。 PEGとBSAはl mu g/mZ以上で浮上斃死を止め，濃度 上昇にともなう異常の増加はなかった。抗生物質混合 液は0.25mu l/mZ以上で細菌の増殖を止め，1 mu l/mlま では異常の増加はなかったが， 2.5 mu l/ml以上では体 屈曲増加の傾向があった。以上の結果から，これらの物質を有効濃度内で低濃度で用いれば，本法により形 態異常出現状況を評価できると判断された。