PETボトル用電子線無菌充填システムの技術について

摘要

現在，過酢酸のような殺菌薬剤を用いた無菌充てh填によるPETボトル飲料製造は，①製品の高品質化と安全確保，②高生産性と生産のフレキシビリティー，③消費エネルギーの効率的な利用と材料低減，という3つの観点から，加熱処理殺菌法に代わり，増加を続けている。 しかし，一方で，薬剤を使うという技術的な制約は当然つきまとうため，無薬剤の無菌充填システムが待ち望まれているのも事実である。 加熱殺菌以外の無薬剤システムとしては，オゾン，光（紫外線等），圧力，電子線等を用いたシステムがこれまで提案されてきているが，薬剤殺菌と同レベルの殺菌能力を実用化しているシステムは今のところ存在していない。 電子線を用いたPETボトル用の殺菌システムの評価が完了し，薬剤を使用した無菌充填システムと同等な効果が得られることが確認でき，実用化の目途がついたことから，その内容について報告する。